求人募集時と労働条件が違うときに重要なこと

求人票や求人広告に載っていた労働条件が、実際に採用されたら違っていたというトラブルは少なくありませんが、これについて労働者側が必ずやっておくべきことがあります。 それは「求人票・求人広告をとっておく」ということです。これをやっているかどうか…

会社から離職票をもらえない

退職時に会社との間で何らかのトラブルがあると、離職票をなかなか交付してくれないというケースがあります。会社が離職票を発行してこない原因はいくつか考えられますが、1.単純に忘れている、あるいは事務処理が遅い 2.退職理由が自己都合か会社都合か…

タイムカードを強制的に打刻後、残業させられた場合の対処

サービス残業の証拠を残さない為に、従業員にタイムカードを定時で切らせてから残業をさせるような悪質な企業に関する相談は最近でもあります。この件について会社に何か意見すれば、解雇や嫌がらせなど不利益な取扱いを受けるかもしれないという怖さから在…

就業規則を社外へ持ち出し、第三者へ閲覧させる行為への罰則

私は普段、労働者の方から相談を受ける際、労働トラブルに関係する書類等をできる限り持ってきてもらうようにしています。雇用契約書、給与明細書、タイムカード・出勤簿等のコピー、離職票、シフト表、解雇通知書、診断書、源泉徴収票、求人票など色々あり…

「1ヵ月単位の変形労働時間制」なのに勤務シフトを定めない違法な運用

サービス・飲食・小売などの仕事はシフトが組まれて各日の労働時間や休日が不規則であることが一般的です。本来、1日8時間・週40時間を超えると時間外労働という扱いになりますが、会社は「1ヵ月単位の変形労働時間制」を運用することによって、1ヵ月の枠内…

残業代の算定基礎に入れたくないから支給を2ヵ月に一回に変更

残業代を計算する時の算定基礎から除外できる賃金というのは法令で決まっています。具体的には以下です。1.家族手当 2.通勤手当 3.別居手当 4.子女教育手当 5.住宅手当 6.臨時に支払われる賃金 7.1箇月を超える期間ごとに支払われる賃金※考え…

24時間受け付け可能な労働基準監督署メール窓口

昨年11月から始まったサービスです。「労働基準関係情報メール窓口」 労働基準関係情報メール窓口労基署は平日の8:30〜17:15までしか開いていません。会社の違法行為について労基署に相談や申告に行きたくても仕事で行けないという方も多いと思われます。…

労働問題を弁護士に相談するという選択肢

事実、労働問題で悩む労働者にとって弁護士ほど頼りになる存在はいないと思います。労基署とは違い労働者側の立場で相談にのってくれますし、会社との交渉ごとから訴訟まで一切を本人に代わってやってくれます。労働者を支援できる専門家は司法書士、社会保…

退職前の有給休暇を認めないといわれたら

退職願を会社に提出して退職日の日程も決まり、さあ未消化の有休を消化しようかと思って上司に申し出たら、有休は認めない、残りの出勤日数でみっちり引継をしてもらう、と言われてしまった。よく聞く話です。有休は会社の許可や承認をもらってはじめて取得…

逆転現象を起こしている管理職は残業代を請求できる

時間外割増賃金を支払わなくてもよいとされている管理職(※正確には労基法第41条2号に該当する「管理監督者」)を判断する際のポイントは以下の3つです。1.職務内容、権限と責任が相応 2.出退勤時間について厳格な管理を受けない 3.地位にふさわしい待…

産業医を利用した不当なリストラ

一部の大企業では、産業医を利用した不当なリストラ手法が使われることがあります。まず会社は、リストラ対象となる社員に対し、本人の健康の為であるとか何かと理由をつけて産業医の面接指導・診断を受けるように促します。そして会社の息のかかった産業医…

<退職強要>噂の業績改善プログラム「PIP」

外資系の某IT企業がよく使うといわれる退職強要の手法に「業績改善プログラム(通称:PIP)」というものがあります。(※正確には「Performance Improvement Program」)一般的に外資系企業はクビ切りが多いといわれますが、本国ならともかく日本の解雇規制の…

ロックアウト型退職勧奨への対応を考える

リーマンショック以降、外資系企業がリストラを行う際に「ロックアウト型退職勧奨」という手法がよく使われているといいます。ロックアウト型退職勧奨とは、名前の通りターゲットとなる労働者を会社から強引に締め出して合意退職(or自主退職)させる方向に…

正社員からパートに降格といわれたら

正社員である労働者が会社から一方的に「パートに降格する」と告げられたという話をたまに聞きますが、これは法的に問題ないのかと聞かれたら「問題大アリ」という回答になるでしょう。一般的にパートタイマーの給与は時給によって計算され、所定労働時間を…

注意や指導を受けずに突然受けた解雇通告は無効

会社が労働者を解雇するには客観的に合理的な理由が必要です。例えば・遅刻を繰り返した ・無断欠勤をした(欠勤の連絡が遅れた) ・勤務態度が悪い ・仕事でミスをした ・能力が低いなどの理由で会社は解雇が行えるのか。これは具体的な状況によりますが、…

パートや契約社員はいつでも簡単にクビにできるという勘違い

企業が正社員をなかなか採用したがらず、パートタイマーや契約社員などの非正規雇用を使いたいと考える理由は、人件費の流動性と低額化の重視、つまり必要な時に安い賃金で雇い入れ、企業の都合の良いときに容易に解雇したいからです。労働基準法においては…

名目は業務委託でも実態は雇用契約

企業はできることなら労働者を極力雇いたくないと考える傾向にあります。なぜなら労働者を雇い入れると・雇用保険や社会保険に加入させなくてはならない ・労働基準法等の様々な規制の対象になる(残業代・有給休暇・最低賃金など) ・業績が悪くなっても簡…

就業規則の根拠規定なしで行った懲戒処分は無効

懲戒処分は職場秩序を維持する為に企業に認められた権利であり、従業員に非違行為があれば企業は制裁を科すことができます。(※具体的には、けん責、減給、出勤停止、降格、諭旨解雇、懲戒解雇などがあります。)ただし、この懲戒権は企業が最初から当然に有…

「年俸制だから残業代はでない」は通用しない

年俸制の社員は賃金が年額で決まっているから残業代の支給対象にはならないと説明する会社の話はよく聞きますが、これは大きな間違いです。労働基準法は、働いた時間に応じて賃金を支払えといっています。これは、時給だろうが、日給だろうが、月給だろうが…

残業代を正しく計算するために自分の所定労働時間を把握する

労務管理がしっかりしていない会社はたいてい雇用契約の内容がはっきりしていません。その場合、労働条件通知書は交付されていませんし、雇用契約書も交わしていません。仮に契約書を交わしていたとしても、労働基準法第15条で定められた絶対的明示事項がき…

固定残業代・みなし残業代は超過分を支払っていなければ無効

人気ロールケーキ「堂島ロール」の製造販売会社が残業代不払いで労働基準監督署の是正勧告を受けたようです。http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120601-00000008-mai-soci ニュースによれば同社はみなし残業時間を設定し、残業代込みの賃金を支払っていた…

解雇予告と同時に休業を命じられた場合の賃金

会社から解雇を予告されて、その日以降解雇日までの30日間休業を同時に命じられ、労働基準法の定める休業手当60%のみが支払われた。これは法律的に問題はないのか。という質問を受けることがあります。解雇予告手当(平均賃金30日分)を支払いたくない会社…

想像以上に高い試用期間中の解雇のハードル

入社後の数ヵ月間を試用期間として設定する会社が多いですが、試用期間中であれば労働者を会社の裁量でいつでも比較的自由に辞めさせることができると考えている経営者は少なくありません。「まだ本採用ではないから、雇用契約は成立していない。」「本採用…

労災か否かを判断するのは会社ではない

知人が病院に行ったとかそういう話を聞くと、職業柄「それは労災ではないのか?」とふと考えることがあります。仕事中にケガをしたとか、業務が原因でケガや病気になった場合は労災に該当するのが通常ですが、このあたりをあまり意識せず病院に行って保険証…

残業代の請求は証拠の確保にかかっている

最近未払い残業代の請求事件が増えてきていますが、実際に残業の事実があったとしても必ず残業代を支払わせることができるわけではありません。残業の事実を立証する為の客観的な証拠の確保が何よりも重要になってきます。通常、どこの会社でも労働時間の算…

雇入れ時の健康診断費用は会社が負担すべきもの

直接労働トラブルにつながる可能性は低いと思われますが、非常によく質問される事項であり、別ブログで記事にした際にもアクセスが高く、一般的に関心の高い事柄と思われた為、従業員が入社した際の雇入れ時健康診断の費用負担について書きます。 結論から言…

次回は契約更新しないと言われたときの対応

有期労働契約は期間満了で契約関係が終了するのが原則です。しかし、契約関係の実態によっては解雇と同様に解雇権濫用法理が類推適用され、雇止めが無効になることもあります(※ちなみに無効とされた場合は、従前の契約が更新された場合と同様の効果が生じる…

不当な雇止めには解雇権濫用法理が類推される

有期労働契約で更新を繰り返して働いていたところ突然契約更新を拒否される雇止めの問題。本来、有期労働契約は契約期間が満了したら契約は終了するのが原則であり、会社が適正に運用している限り問題は生じません。何十回更新したって問題ないと思われるケ…

解雇通知書・解雇理由証明書を必ず入手する

労働トラブルの中で最も多い解雇トラブルですが、前回書いたように会社が従業員を解雇するにはそれなりの理由が求められることになります。労働契約法第16条において、解雇は「客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合」は無効…

解雇予告手当を支払えば解雇できるという勘違い

会社が労働者を解雇する場合、30日前に予告をするか、または平均賃金の30日分にあたる解雇予告手当を支払わなければならないという事は最近はわりと知られています。これは労働基準法の規定です。ところが、この規定を間違って解釈している経営者や会社幹部…